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会長挨拶

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第9回日本ロボット外科学会学術集会
会長 能城 浩和
(佐賀大学医学部 一般・消化器外科 教授)

この度、第9回日本ロボット外科学会学術集会を平成29年1月28日(土)に佐賀市において開催させていただくことになりました。このような機会を与えていただき大変光栄に思いますとともに、学会役員の皆様に心から御礼申し上げます。
本邦では2009年11月の手術支援ロボットda Vinciの薬事承認以来、6年が経過して世界第2位のダ・ヴィンチ保有国となりました。その間、2012年4月前立腺悪性腫瘍手術、2016年4月より腎癌に対する腎部分切除が保険収載されました。さらに2015年10月より胃癌に対する胃切除術、2015年2月より中下部咽頭癌、喉頭癌に対する咽喉頭切除術、2016年4月より子宮頸癌に対する広汎子宮全摘術が先進医療に承認されました。また、心臓外科領域においても心内手術が2015年12月に薬事承認され、各領域においてロボット支援手術が導入されている状況です。一方、近年の腹腔鏡下手術は成熟した域に達しており、この中でいかにロボット手術の優位性を示せるかは早急の課題でもあります。
そこで今回のテーマを「ロボット手術はパラダイムシフトになりえるか?」としました。ご存じのように科学におけるパラダイムシフトとは革命的変化を意味し、古くは地動説から相対性理論、量子論、DNA二重螺旋構造に至るまで、科学はパラダイムシフトにより劇的な進歩を遂げてまいりました。外科手術においても、旧パラダイム(開腹手術や腹腔鏡手術)では解決できない例外的事象を、その問題解決のための新パラダイム(ロボット手術)が解決出来るのか?これは一見簡単そうにみえますが、科学的に証明するのは大変困難で長い道程です。そこで今回、ロボット支援手術に携わる医師、看護師や臨床工学士の皆様に新しい斬新なアイディアで、ロボット手術が外科手術の何を変化させ、それにより何が変わったのかを議論していただきたいと考えています。これまでの外科手術における固定観念が大きく変化する学術集会となることを願っております。
1月の佐賀は九州とはいえ寒さが厳しい季節です。しかし、佐賀牛や玄界灘、有明海の魚介類など佐賀の冬の味覚を堪能して頂くには絶好の時期でもあります。少しでも多くの皆様に演題を応募していただき、また佐賀に足を運んでいただき討論に参加していただきますよう心よりお願い申し上げます。


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